「現代泡沫論」@東京都現代美術館 [展覧会]
3月10日(土)前回の記事でもお知らせしました「MOTコレクション クロニクル1964年 OFF MUSEUM」の関連プログラム・講演会「現代泡沫論」が午後3時から開催されました。
会場には朝から雪がちらついたにもかかわらず、200名弱の方が集まりました。お集り頂いた秋山ファンの皆さん、ありがとうございました!
予定を大幅に超過した、爆笑の二時間の講演の一部をご紹介したいと思います。
講演会 「現代泡沫論」
秋山祐徳太子(美術家)、赤瀬川原平(画家・作家)、山下裕二(美術史家)
日時 2012年3月10日(土)午後3時から(午後2時30分開場)
会場 東京都現代美術館 地下2階講堂
定員 200名(整理券制)
*入場無料(企画展もしくは常設展のチケットが必要です)
*当日午後1時30分から、メインエントランスにて整理券を配布します。
会場にMOTスタッフの方と一緒に入場する3人
Gメン風(古っ!)
今日も帽子とコートがおしゃれな秋山さん、毛糸の帽子と手袋で完全防備の赤瀬川氏、部分部分におしゃれの拘りが見える山下氏、それぞれの個性が光っています
常設展示室で、「この後ろ姿が私だと思うんですよ」とお尻(なぜに秋山さんのお尻が天下のMOTにさらされてしまったのか、記事後半にこの写真の詳細が出てきます)を指差す秋山さん。
戦後日本美術を見直すMOT「クロニクル」シリーズは、秀逸な企画ですよ
秋山さんと赤瀬川氏の作品は、3F「クロニクル 1964-OFF MUSEUM」のコーナーに展示されています。2011年の個展「高貴骨走」展を機会に、作品を収蔵したことを契機として、「もの」としての作品を超えた広がりをもつ、秋山さんの活動が展示されています。
昔の秋山さんと、今の秋山さんのご対面。
「私、痩せてたね!」と秋山さん。いえいえ、今もスタイル良いです
都知事選のポスターがアートに
「このメガホン使ったんだよね〜。高い所から失礼します!なんてね」
泡沫候補とはよく言ったものですね
講演会の前の打ち合わせで控え室でパチリ。3人ともリラックスして、和気あいあいとした雰囲気です。
さて、講演が始まりました。現代の”泡沫”についてです。
”泡沫”の定義としては、10年前の秋山さんの本にあるとおり…
この時にも、赤瀬川氏、山下氏との泡沫鼎談が収録されていました。そして、今回10年ぶりの現代の泡沫論の鼎談となったわけです。
今回の講演をご覧になった方は、そのときの泡沫鼎談と比較してみても面白いかもしれません。
いきなりランニングに短パンの「ダリコ」姿で登場した秋山さんでしたが、赤瀬川氏の「ずっとそれじゃあ寒いでしょう?健康第一だから」とのお言葉でお色直しをした所で撮影しました。
控え室での打ち合わせでも、皆が「ずっとランニングでいるんですか」と驚き、皆一斉に「アブナイヨ」と心配してくれていたのでした(赤瀬川氏は手袋が手放せずという寒い日だったのです)。
赤瀬川氏や秋山さんの作品解説や、同年代の作家の芸術について”都知事選泡沫候補”だった泡沫のソムリエこと秋山さんを中心に、”泡沫”かどうかの判定を3人で話し合い、赤瀬川氏、秋山さんが判定を下します。
「真性泡沫!」
「仮性泡沫!」
「あ、男性群笑ってますね!」
「この人は高級官僚!」
(???)
などなど、独自の判定に場内大爆笑
赤瀬川さんの作品はご存知ハイレッド・センター(1963年高松次郎氏、中西夏之氏と結成)の「首都圏清掃整理促進運動」のパフォーマンスの写真。サラリーマンの奥でホウキを持っているのが赤瀬川さんだそうです。
そして、世を騒がせた千円札裁判にもなった、赤瀬川氏の千円札の作品。
「前衛芸術」とパロディ的作品の意味が法廷で争われる、美術史上に残る裁判といわれています。
講演での赤瀬川氏の話によると、逮捕しようとして来た刑事さんは、良い人風と怖い人風がテレビドラマのようにペアになって来たそうです。
早朝、赤瀬川氏が寝ているところを訪ねてきたそうで、ドアを開けた後、起きて着替えようとしたら「そのままでいいから」と良い人風の刑事さんが優しく言い、布団に戻され布団の中で寝ながら事情徴収を受けたということでした。逃走しないようにかな?と話していました。
逮捕といえば(?)、秋山さんの前述の”お尻”の写真の話に戻るのです
万博破壊共闘派 「万博紛糾ブラックフェスティバル」京都大学教養部屋上(撮影:平田実)1969年6月10日
そこには片手を挙げた全裸の男女が並んでいます。
「人類の進歩と調和」をテーマにした万国博に対して、「ゼロ次元」の加藤好弘氏が中心となって文化管理体制に向かいつつある万博に対して破壊を持って戦うという「万博破壊共闘派」が結成され、このような過激な活動が行われていたのです。
で、秋山さんはどれかという話になり、秋山さん自身は、後ろ姿から見て、自分は右からニ番目だと言うのですが、他の皆さんのご意見は「あの怪しい靴下(ゲートル?)こそが秋山さんだ!」ということでした。
この行動が当時の「アサヒグラフ」や「週刊明星」に報道されたのをきっかけに、秋山さんは”公然ワイセツ物陳列容疑”で逮捕され、何日か勾留されたそうです。当時勤務していた東芝オーディオ工業のはからいがあったせいか大事にはならず、その後も勤務しながらこういった通勤ポップ・ハプニングをされていたとか。ポップですね〜♩
建て替え前の自宅である高輪アパート屋上での子ども達とのダリコ、ランニング・ハップ。皆、いい笑顔です。
そして、さらに「真性泡沫!」「仮性泡沫!」などと話は続き、講演もたけなわとなったとき、山下氏が秋山さんの「婚活」の話をしてくださいました。
というのも、秋山さんは入籍経験がありません。只今、大々的に婚活中!なのであります。
場内に呼びかけると、「秋山さんと結婚したい!」という女性がふたり挙手しました良い縁がありますように!打倒カトちゃん!(なのか?)
そして、婚活がすでに終わっている赤瀬川さんは、只今「墓活」されているということで、この3月9日「墓活」論という本を上梓しました。枯渇(?)するまで頑張るお二人のパワーには、脱帽です。
総括:秋山さん曰く、
泡沫とは…一生をかけて、
真面目に人生を棒にふること!
そうとなったら、三三七拍子と行きましょう
ハイ、チャッ、チャッ、チャ、
チャッ、チャッ、チャ、
チャッ、チャッ、チャッ、チャ、チャッ、チャッ、チャ
ハイ、チャッ、チャッ、チャ、
チャッ、チャッ、チャ、
チャッ、チャッ、チャッ、チャ、チャッ、チャッ、チャ
秋山さんと結婚した方にはもれなく泡沫人生がついてきますいや〜きっと人生楽しくなると思います。
閉会後、人気者の三人衆。
お疲れさまでした。
以上、東京都現代美術館と赤瀬川氏、山下氏のご許可とご協力を得まして、撮影・取材させて頂きました。
ご協力誠にありがとうございました。
*今後のメディア掲載のお知らせ*
3月14日毎日新聞朝刊に掲載されます。ご高覧ください
会場には朝から雪がちらついたにもかかわらず、200名弱の方が集まりました。お集り頂いた秋山ファンの皆さん、ありがとうございました!
予定を大幅に超過した、爆笑の二時間の講演の一部をご紹介したいと思います。
講演会 「現代泡沫論」
秋山祐徳太子(美術家)、赤瀬川原平(画家・作家)、山下裕二(美術史家)
日時 2012年3月10日(土)午後3時から(午後2時30分開場)
会場 東京都現代美術館 地下2階講堂
定員 200名(整理券制)
*入場無料(企画展もしくは常設展のチケットが必要です)
*当日午後1時30分から、メインエントランスにて整理券を配布します。
会場にMOTスタッフの方と一緒に入場する3人
Gメン風(古っ!)
今日も帽子とコートがおしゃれな秋山さん、毛糸の帽子と手袋で完全防備の赤瀬川氏、部分部分におしゃれの拘りが見える山下氏、それぞれの個性が光っています
常設展示室で、「この後ろ姿が私だと思うんですよ」とお尻(なぜに秋山さんのお尻が天下のMOTにさらされてしまったのか、記事後半にこの写真の詳細が出てきます)を指差す秋山さん。
戦後日本美術を見直すMOT「クロニクル」シリーズは、秀逸な企画ですよ
秋山さんと赤瀬川氏の作品は、3F「クロニクル 1964-OFF MUSEUM」のコーナーに展示されています。2011年の個展「高貴骨走」展を機会に、作品を収蔵したことを契機として、「もの」としての作品を超えた広がりをもつ、秋山さんの活動が展示されています。
昔の秋山さんと、今の秋山さんのご対面。
「私、痩せてたね!」と秋山さん。いえいえ、今もスタイル良いです
都知事選のポスターがアートに
「このメガホン使ったんだよね〜。高い所から失礼します!なんてね」
泡沫候補とはよく言ったものですね
講演会の前の打ち合わせで控え室でパチリ。3人ともリラックスして、和気あいあいとした雰囲気です。
さて、講演が始まりました。現代の”泡沫”についてです。
”泡沫”の定義としては、10年前の秋山さんの本にあるとおり…
この時にも、赤瀬川氏、山下氏との泡沫鼎談が収録されていました。そして、今回10年ぶりの現代の泡沫論の鼎談となったわけです。
今回の講演をご覧になった方は、そのときの泡沫鼎談と比較してみても面白いかもしれません。
いきなりランニングに短パンの「ダリコ」姿で登場した秋山さんでしたが、赤瀬川氏の「ずっとそれじゃあ寒いでしょう?健康第一だから」とのお言葉でお色直しをした所で撮影しました。
控え室での打ち合わせでも、皆が「ずっとランニングでいるんですか」と驚き、皆一斉に「アブナイヨ」と心配してくれていたのでした(赤瀬川氏は手袋が手放せずという寒い日だったのです)。
赤瀬川氏や秋山さんの作品解説や、同年代の作家の芸術について”都知事選泡沫候補”だった泡沫のソムリエこと秋山さんを中心に、”泡沫”かどうかの判定を3人で話し合い、赤瀬川氏、秋山さんが判定を下します。
「真性泡沫!」
「仮性泡沫!」
「あ、男性群笑ってますね!」
「この人は高級官僚!」
(???)
などなど、独自の判定に場内大爆笑
赤瀬川さんの作品はご存知ハイレッド・センター(1963年高松次郎氏、中西夏之氏と結成)の「首都圏清掃整理促進運動」のパフォーマンスの写真。サラリーマンの奥でホウキを持っているのが赤瀬川さんだそうです。
そして、世を騒がせた千円札裁判にもなった、赤瀬川氏の千円札の作品。
「前衛芸術」とパロディ的作品の意味が法廷で争われる、美術史上に残る裁判といわれています。
講演での赤瀬川氏の話によると、逮捕しようとして来た刑事さんは、良い人風と怖い人風がテレビドラマのようにペアになって来たそうです。
早朝、赤瀬川氏が寝ているところを訪ねてきたそうで、ドアを開けた後、起きて着替えようとしたら「そのままでいいから」と良い人風の刑事さんが優しく言い、布団に戻され布団の中で寝ながら事情徴収を受けたということでした。逃走しないようにかな?と話していました。
逮捕といえば(?)、秋山さんの前述の”お尻”の写真の話に戻るのです
万博破壊共闘派 「万博紛糾ブラックフェスティバル」京都大学教養部屋上(撮影:平田実)1969年6月10日
そこには片手を挙げた全裸の男女が並んでいます。
「人類の進歩と調和」をテーマにした万国博に対して、「ゼロ次元」の加藤好弘氏が中心となって文化管理体制に向かいつつある万博に対して破壊を持って戦うという「万博破壊共闘派」が結成され、このような過激な活動が行われていたのです。
で、秋山さんはどれかという話になり、秋山さん自身は、後ろ姿から見て、自分は右からニ番目だと言うのですが、他の皆さんのご意見は「あの怪しい靴下(ゲートル?)こそが秋山さんだ!」ということでした。
この行動が当時の「アサヒグラフ」や「週刊明星」に報道されたのをきっかけに、秋山さんは”公然ワイセツ物陳列容疑”で逮捕され、何日か勾留されたそうです。当時勤務していた東芝オーディオ工業のはからいがあったせいか大事にはならず、その後も勤務しながらこういった通勤ポップ・ハプニングをされていたとか。ポップですね〜♩
建て替え前の自宅である高輪アパート屋上での子ども達とのダリコ、ランニング・ハップ。皆、いい笑顔です。
そして、さらに「真性泡沫!」「仮性泡沫!」などと話は続き、講演もたけなわとなったとき、山下氏が秋山さんの「婚活」の話をしてくださいました。
というのも、秋山さんは入籍経験がありません。只今、大々的に婚活中!なのであります。
場内に呼びかけると、「秋山さんと結婚したい!」という女性がふたり挙手しました良い縁がありますように!打倒カトちゃん!(なのか?)
そして、婚活がすでに終わっている赤瀬川さんは、只今「墓活」されているということで、この3月9日「墓活」論という本を上梓しました。枯渇(?)するまで頑張るお二人のパワーには、脱帽です。
総括:秋山さん曰く、
泡沫とは…一生をかけて、
真面目に人生を棒にふること!
そうとなったら、三三七拍子と行きましょう
ハイ、チャッ、チャッ、チャ、
チャッ、チャッ、チャ、
チャッ、チャッ、チャッ、チャ、チャッ、チャッ、チャ
ハイ、チャッ、チャッ、チャ、
チャッ、チャッ、チャ、
チャッ、チャッ、チャッ、チャ、チャッ、チャッ、チャ
秋山さんと結婚した方にはもれなく泡沫人生がついてきますいや〜きっと人生楽しくなると思います。
閉会後、人気者の三人衆。
お疲れさまでした。
以上、東京都現代美術館と赤瀬川氏、山下氏のご許可とご協力を得まして、撮影・取材させて頂きました。
ご協力誠にありがとうございました。
*今後のメディア掲載のお知らせ*
3月14日毎日新聞朝刊に掲載されます。ご高覧ください